わたしには子供がいません。妊娠したこともありません。
そのせいか、子供が欲しいと思えない方からのご相談も結構いただきます。
欲しいと思いつつ、産む勇気が持てない、という方もおられます。
わたし自身は、おっさんのように働いていたこともあって、子供を持つかどうかずっと葛藤の人生でした。
いや、かなり拒否気味に子どもいらない、と公言していました。
結果的に持つことがないまま持てない身体になり、かつそのタイミングで離婚したので、この葛藤は強制終了したのでありますが。
さてこの「子どもが欲しいと思えない理由」について。
いろいろ書けることがありますので、連載していきます。
夫を理想の父親にしている場合
私のカウンセリングサービス時代の先輩である根本さんが、このような記事を書いておられます。
子どもが欲しいと思えない心理というのはカウンセリングでもよく上がるので様々なパターンがあると思います。
根本裕幸オフィシャルブログ より
その代表的な例の一つが「子ども時代に子どもができなかった分を夫で取り戻しているから」というものです。
https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/41773
この記事で紹介されたご相談内容は、
「夫の子供が欲しいと思えない。ほかに彼氏もいる(浮気している)
どうしたらいいのか?30代で年齢的なリミットがあるので焦りがある。」
というものです。
子ども時代に「ザ・子ども」として生きられなかったから(よく言われるアダルトチルドレン)、配偶者が親がわりとなり、ゆえに親と子どもある自分とは、子供を作れないということですよね。
父親がわりの夫とはセックスできないし、ましてや子ども作れないし、となりますよね。
理想の父親からセックスを切り離す
そうなると、セックスを親たる夫・パートナーから切り離す必要があり、他の男性=堂々とセックスを楽しめる相手が欲しくなるので、浮気・不倫をする、ということもあります。
彼とは、情熱的な(夫とはできないような)セックスもできちゃうので、別れられない。
しかもなぜかその相手とは子供が欲しいなんて思っちゃうこともあります。(でも、産んではならない相手なので、タブー感もあり、さらにセックスが魅惑的になる)
それって、相手が「父親がわり」ではなく、一人の男だからですよね。
父親とは子ども持てないけど、「男」とだったら私は「女」になるので、「女」としての本能がうずくのかも。
そしてセックス本来の「新しい生命を生み出す根源的で強烈なエネルギー」に触れるからだと思うのです。
なので本来は(本能的には)「子どもが欲しくない」人ではないのでしょうね。
「子どもの位置」にこだわる
かたや父親がわりたる夫には、そんな情欲を感じるのはタブーだし、無意識にブレーキがかかりますよね。
そして、「子どもの位置」にいることが快適。
ずっと欲しかったものだから。
子ども時代を「ザ・子ども」として過ごせなかった、未消化の時代があるから。
そこには「子どもらしく振舞うこと」よりも、しっかりもの、ちゃんとした子、優等生であろうとして、子供としての感情よりもおとな的な思慮分別で動くことが多かったと思います。
例えば、保守的で教育熱心、生真面目な両親のしつけや教育方針でそれに応えようとそうした子もいます。
中には、親が経済的、肉体的様々な理由で荒廃していて、小さいときからしっかりせねばならなかった子もいます。
あるいは、原因はわかりませんがなぜか勝手にそう思ってやってきた子もいます。
寛容で穏やかな両親の下で愛されて育ったのに、なぜだかわからないけど、罪悪感があって、その愛を受け取りきれず、子どもとしての自分という存在を大切にできないままの子もいます。
いずれにせよ、ようやく手に入れた、「ザ・子ども」の位置を手放したくないんですよね。
もし、子どもを産めば、その座は我が子に譲り渡すことになります。
となると、我が子は敵になります。
わざわざ敵を作るのか?ということですよね。
子ども時代に未消化だったことをやる
こういうケースの場合、ポイントは、
子ども時代に未消化だったことをやる、ということです。
よく言われるようにインナーチャイルドを育てる、自分の中にいる子どもを自分が愛する。
結果として、内なる子供が満たされ、
自分が子どもの位置にこだわる必要がなくなり、
夫を父親がわりにしなくてもよくなる。
ということですね。
ただし、です。
じゃあインナーチャイルドを癒したら、子どもを持つ気になるのか?というと、必ずしもそうではないと思います。
インナーチャイルドが満たされたからといって、現実には大人である私、という存在が子供を持とうという気になるのかどうか?
わからないところなのです。
なので、インナーチャイルドの癒しをしたら、
「私はスッキリするに違いない!」とか、
「子どもを持とうと思えるようになるに違いない!
と期待を膨らませない方がいいし、
狙いにいかないことをお勧めします。
なぜかというと、この目的・たくらみ自体がインナーチャイルドのコントロールになるからです。
「私がスッキリするように、子どもを持とうと思えるように、あなたは癒されなさい!」
って。
それでは本末転倒なのでご注意を。